中日の山本拓実投手(20)が10日、沖縄・北谷球場で「やり投げ特訓」を行った。

開幕ローテーション入りを狙う3年目の右腕は今キャンプ2度目となった休日を返上。外野で約300グラムの「ジャベリック」と呼ばれるプラスチック製のものでやり投げを繰り返した。

休日返上の意図は2つあった。「慎之介さん(小笠原)にお借りしているものです。体全体を使って投げないとうまく飛ばない。腕の力だけではダメということでこのキャンプから始めました」。よりバランスのいいフォームを手にしたいとの思いと、登板から中2日目の体調チェックだった。

今季初の対外試合となった8日の阪神戦(北谷)では「開幕投手」に抜てきされ、先発で3回を2安打無失点。開幕ローテ入りを目標とする山本にとって登板翌々日の肩、ヒジの具合は重要な確認事項だった。

「昨年までなら休養日なのですが、今年からフォームも変え、昨日も張りがあった。今日はどんな状態なのかを確認したかったので」

ローテ入りを視野に、このオフから2段モーションに変更した。自ら「スラッター」と呼ぶ新球取得、体幹強化など、チャレンジを続ける167センチの右腕にとって、新たな調整方法の模索も大事なチェックポイントだった。次回登板は未定ながら「次はより長いイニングを投げたいですね」。実戦が本格化するキャンプ後半に向け、強い覚悟を示した。【安藤宏樹】