ヤクルト、阪神などで監督を務めた野村克也さんが死去した。

元巨人選手、西武監督の森祗晶氏 突然の訃報に接し、大変驚いております。野村さんに、最後にお会いしたのは2年前の巨人南海OB戦。2月に宮崎で試合があり、翌朝、2時間くらいお話ができました。お互い高齢なので、健康について花が咲き、「よくハワイから来てくれたな」と言っていただいたのが、最後の言葉になりました。

私にとって巨人、南海とリーグは違えど、現役時代から何十年にも及ぶ野球界の同士であり、監督時代を含めて戦友と呼べる間柄でした。お互い捕手として、どうやって投手を生かすか、どんな考えでリードしているのか。互いに納得がいくまで、捕手術を話し合ったものです。

現役時代、私が日本シリーズの前になると、当時、兵庫・西宮に住んでいた野村さんのお宅にお邪魔して、パ・リーグ(シリーズ対戦相手の阪急)の選手の特徴など教えてもらったものです。信頼関係の上に成り立っていたんだと思います。

監督同士でも西武-ヤクルトの1992、93年の日本シリーズは、今でも忘れられない戦いです。お互いに手の内を知り尽くした相手でしたが、采配やよう兵など、1戦1戦が最高のシリーズだったと思っています。まだ心の整理がつきませんが、謹んでお悔やみ申し上げます。(日刊スポーツ評論家)