右ひじ手術からの復帰を目指す日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が、術後今打席で初安打を放った。15日、沖縄・国頭での紅白戦で9回に代打出場。変化球にバットを合わせ、左前打をマークした。リハビリ途中でスローイングは制限している段階も、打席では実戦感覚を養った。

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一塁ベンチ前で張り上げていた声が、止んだ。9回の先頭。“声出し役”だった清宮が、代打で今季初打席に立った。じっくり見極めフルカウントからの7球目。左腕福田の129キロ変化球をすくい上げ、左前へポトリと落とした。「今日は打ち取られたも同然。結果として(安打が)出たのは、気持ちの面では少しはいいかな」と振り返った。

打席の後ろ、ネット越しの視線は鋭かった。新人や若手がそれぞれ持ち味を出した紅白戦だが、栗山監督からは「1番ガッカリしたのは、幸太郎が守れていないこと」と名指しされた。試合前のフリー打撃でも快音を連発していたが、指揮官の表情は険しかった。清宮は「すごく最近、お話しさせてもらう機会が多い。本当に期待に応えないと、という思いは強い」と再確認している。

マイペースなハートに、火が付いた。「3年目で1番」と打撃面は自信を深めている一方、昨年10月に手術した右肘のリハビリは慎重で、スローイングの距離を少しずつ伸ばしている段階。「実際に(打席に)立って、いろんな人のプレーを見て。自分がすごい遅れているなとあらためて感じた。早く、という思いは強くなった」。照準は、3年目で初めての開幕戦出場。「焦らずですけど、出来るだけ早く」。表舞台で咲く日を目指す。【田中彩友美】