背水の陣で挑む中日吉見一起投手(35)が20日、休日返上で汗を流した。北谷球場でルイス通訳を相手にキャッチボールやランニング、投球練習を敢行。2イニング登板予定のオープン戦初戦、22日の阪神戦(北谷)に向けて気合を入れた。

「理想はゼロで抑えること。立場も分かっている。過程を大事にして結果を出せたらいい」

キャンプ初日からブルペンに立ち、2日目までに179球を投げ込んだ。「ダメだったら終わり。自分の野球人生がかかっている」。だが初登板した9日のシート打撃は、根尾ら打者8人に5安打5失点。「前回のシートがひどすぎて、今がある」。登板直後にブルペンで修正し、今回の阪神戦にぶつける。

ベテランながらオープン戦初戦登板は2年連続。「(22日は)1つのショー」と言い切る。首脳陣へ現在の自分を披露するショータイム。「優勝してビールかけをするその場にいたい。そのための残り1カ月。2ケタ勝利などの数字もあるけど、それより優勝したい」。1軍戦力として、自身が最多勝(18勝)を挙げた11年以来、9年ぶりの美酒を味わうことが究極目標だ。

「開幕まで投げるのは4試合ほど。1点も取られないようにしたい。派手じゃないけど、何で打てないんだと思われる投球をしたい」。元エースが泥臭く、開幕ローテへの1歩目を刻みにいく。【伊東大介】