昨秋右肘を手術したソフトバンク柳田悠岐外野手(31)が、29日の2軍教育リーグ阪神戦(タマスタ筑後)で術後初実戦に臨む。

24日、リハビリ組で宮崎キャンプを完走。初日から屋外フリー打撃を行うなど精力的に動き、右肘の不安を感じさせない状態に仕上げた。工藤公康監督(56)も「予定より早い」と驚く超速仕上げ。超人が3月20日の開幕ロッテ戦での大暴れに(ペイペイドーム)に照準を定めた。

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「最高のキャンプでした」。リハビリ組ながら、24日間のキャンプを走り抜いた柳田は晴れやかな表情だった。初日から屋外フリー打撃を行うなど精力的に動き、昨秋メスを入れた右肘の影響はほとんど感じさせない状態に仕上げた。キャッチボールの距離も着実に伸ばし、守備練習にも入った。「やりたいことができたし、自分のペースでやらせてもらえた。順調に来ていると思います」。もう、いつでも実戦に入れる状態だ。

斉藤リハビリ担当コーチは「開幕に間に合うということで、1軍の首脳陣も状態は分かってくれている。ありがたいことに、焦って上に呼ばなくてもいいと言ってくれているので、しっかり彼(柳田)のペースでやってもらおうと思っています」と明るい見通しを明かした。工藤監督も「予定より(調整が)早いという報告も聞いている。順調ですね」と驚く回復ぶりだ。

まずは29日に2軍教育リーグの阪神戦で実戦復帰。3月20日の開幕ロッテ戦までに、徐々にイニング数や打席数を伸ばしていくプランだ。

この日はダッシュやキャッチボール、室内マシン打撃で調整。ハツラツとした動きを披露した。また、明るい柳田らしい一幕もあった。この日、チームより先に福岡に戻るリハビリ組に合わせ、昼前にB組のキャンプ打ち上げとなる手締めを行う予定だった。だが、当初より手締めの時間が早まり、輪の中に柳田はいなかった。周囲から総ツッコミを受け、笑いを振りまきながらのキャンプ打ち上げとなった。「これで一段落つきました。また始まるんやな、という感じですね」。野球に飢えた男が、3・20に照準を合わせた。【山本大地】

<柳田のこれまで>

◆11月7日 横浜市内で右肘の関節鏡下遊離体切除術・滑膜切除術を受けた。

◆同10日 筑後でリハビリ組に合流。15年11月にも右肘を手術したが「前回より今回の方が術後はいい。この前ははしを持ってご飯が食べられなかったけど、今回ははしを使える」。

◆同15日 抜糸が完了。打撃やスローイングについて「まだやる必要がない。今年中はやらないと決めている」と考えを明かした。

◆12月24日 筑後での年内のリハビリを打ち上げ。

◆同25日 契約更改交渉に臨み、新たに7年契約を結んだ。

◆1月8日 筑後でリハビリを再開。「3月20日の開幕に100でいけるように、逆算してやっていきます」と気合十分。

◆2月1日 リハビリ組でキャンプイン。「3カ月ぶりくらいに打てたし、いいスタートが切れた」と笑顔。