怪力自慢の「アトム・モタ」が、ジャパニーズドリームへの第1歩を踏み出す。猛アピールで今キャンプ“MVP”の指名を受けた育成選手の巨人イスラエル・モタ外野手(24)が支配下登録されることが27日、分かった。全体練習開始前の円陣で、原監督が1軍選手たちに問い掛けた。

「監督、コーチの中で意見は一致した。君たちはどうだい」

異例の問い掛けに、選手たちは拍手で呼応。「異議なし。賛成と。それなら今日(大塚)副代表が来ている。チームの総意としてお願いしてくる」と指揮官自ら先陣を切った。背番号は「44」に内定。28日にも正式発表される見通しだ。

コロナウイルス感染拡大の影響で、ファン不在だったジャイアンツ球場に届いた明るいニュース。指揮官、選手の心をわしづかみにするほど、モタの活躍は鮮烈だった。今キャンプは実戦11試合で41打数14安打の打率3割4分1厘、1本塁打、9打点とアピール。原監督は「親切とか同情とかそんな気持ちはさらさらない。実力至上主義の中でチームの一員になった」と評価する。フルスイングとハッスルプレーが持ち味の右の大砲に「うちにはいないタイプ」と期待は大きい。

ポジションは本職の左翼に加え、一塁の守備にも挑戦中。フリー打撃などで汗を流したモタは「今までの自分の時間の中で、最高の時間になることは確信してます」と東京ドームでのプレーを心待ちにしている。