ソフトバンクの新助っ人左腕、メジャー54勝のマット・ムーア投手(30=タイガース)が、来日初実戦登板となるオープン戦初登板で、上々のデビューを飾った。

予定されていた先発1回を無失点。先頭打者に中前打されたが、後続3人を二ゴロ、見逃し三振、空振り三振に仕留めた。「ビューティフルな球場だ。ファンがいなかったので、あまり興奮しすぎずに投げられた。甲斐とバッテリーを組んで楽しかった」。ムーアに笑みを浮かべた。

直球の最速は151キロ。キレのあるスライダーなど全球種を投げての17球だった。無死一塁の場面には、けん制で一塁走者をくぎ付けにした。「今まで見たなかで一番大きいリードだったんで、アウトにできると思った」。本人は苦笑いを浮かべたが、森山投手コーチは「けん制も器用だし、セットでクイックでも投げられてた」と投球以外も評価した。工藤監督も「強い球も投げられていた。開幕ローテーションの一角として期待できる」と合格点を与えた。

右膝の手術経歴があるが「全然、問題なく投げられている。これから球数、イニングが増えていくので、この調子でいきたい」。次回登板は長くて3イニング。開幕先発ローテーション入りへ、最初のステップをクリアした。【浦田由紀夫】

◆マット・ムーア 1989年6月18日、米フロリダ州生まれ。07年にデビルレイズ(現レイズ)から8巡目指名。11年9月にメジャーデビューし、13年に17勝。14年にトミー・ジョン手術を受けた。昨季はタイガースで2試合に登板し0勝0敗。メジャー通算は181試合、54勝56敗、防御率4・51。191センチ、95キロ。左投げ左打ち。