東大野球部に入部を希望する新1年生たちが、大学野球の1歩を踏み出した。

日比谷OBの椎名航さん(19)、土浦一OBの矢追駿介さん(19)、仙台一OBの鈴木健さん(19)、奈良学園登美ケ丘OBの三田村優希さん(20)の4人が14日、東大球場で行われた体力測定会に参加した。4人とも1浪ないし2浪の末、悲願の東大合格。受験勉強を終えたばかりとあって、「体がなまってました」と口をそろえた。スイングスピード、筋力、柔軟性などを測定した。

それぞれ、意気込みとアピールポイントを語った。

二塁、遊撃を守る椎名さんは「高校では1番打者として、内野安打や盗塁など足で稼いできました。大学でも、そういうプレーをできたら」。

外野手の矢追さんも1番打者だった。「長打も打つ1番でした。木製バットになってどうかですが、どんどん打ちたい。肩には自信があります」。

鈴木さんは身長185センチの長身左腕。高2秋で136キロを投げた。スピードガンがない環境だったため、3年時の最速は不明だが、130キロ台後半から140キロは出ていたとみられる。「まだ筋力が足りません。トレーニングをして、大学では140キロ台後半を出したい」と意気込んだ。高校時は5番打者で、この日の測定会では、スイングスピードで時速120キロを記録。チームのレギュラー野手と遜色なく、二刀流の期待も?

三田村さんは、スライダー、フォーク、カーブ、チェンジアップを投げる右腕。高校は軟式野球部しかなかったが、硬式に憧れ、東大野球部を志した。「器用な方だと思いますが、まずは硬球に慣れたい」と話した。

4人とも「神宮でプレーしたい」という思いが、受験勉強の支えになったという。さくらは咲いた。次は、野球で花を咲かせる。【古川真弥】