中日のドラフト4位郡司裕也捕手(22=慶大)が開幕1軍へ猛アピールした。ロッテ戦(ナゴヤドーム)で4度目の先発マスク。3回に西野からオープン戦初長打となる中越え二塁打を放ち、三進後に大島の投ゴロ(記録は野選)で先制のホームに滑り込んだ。

最後のオープン戦は3打数1安打で、捕手併用の関係で規定打席には未達ながら打率3割5分7厘とした。「ボール球を打たずに甘い球を打てている。四球も取れているし、自分らしい打撃ができている」。正捕手を争う木下拓、加藤、石橋と比べてもダントツの数字。8割を超えれば好打者とされるOPS(長打率+出塁率)はチーム最高の9割5分5厘とし、昨秋の東京6大学で3冠王を獲得した打棒を見せつけた。

本業の捕手でも手応えを感じている。「初めはキャッチング、配球、技術などで精いっぱいだった。今は試合前、試合中に投手と会話もできている」。この日は同学年の小笠原とプロで2度目のバッテリーを組み、8安打を浴びながら6回2失点と粘りのリードをみせた。「前回は負けたので(小笠原)慎之介に勝ちをつけたかった」。仙台育英・郡司、東海大相模・小笠原として15年夏の甲子園で対戦した時からの間柄。その後のU18W杯でも日の丸を背負ってコンビを組んでおり、小笠原のオープン戦初勝利を素直に喜んだ。

開幕は延期され、先行きの見えない状態のまま、捕手4人による激しい争いは「延長戦」に入る。それでも新人捕手は言い切った。「開幕が延びたことはプラスしかない。投手と会話して、球を受けて開幕マスクの座を取りたい」。【伊東大介】

▽中日与田監督(郡司の打撃について)「球を待つ姿勢がいい。見逃してもどっしりしている。投手にとっていやな待ち方をする打者。1度やられた変化球も次の打席で見極めていた」