失敗を糧にする。日本ハムの育成ドラフト1位宮田輝星外野手(22=福岡大)が1軍戦で大きな経験を手にした。3日巨人とのオープン戦(札幌ドーム)の6回に代走で本拠地デビュー。けん制球で刺され、球界を代表する捕手炭谷の肩と勝負できず「走ってあっち(二塁)でアウトになりたかったなと」。チャンスは逃したが振り返る表情は晴れやかだ。

最大の魅力は50メートルを最速5秒台終盤で駆け抜ける足にあるが、大学時代は「アウトにならないだろうな、くらいで決まったリード幅もなかった。フォームがどうこうとかも全く考えていなくて」と独自の感覚で走っていた。1軍の舞台で盗塁を仕掛けることを目標に、紺田2軍外野守備・走塁コーチとともにリード時の構えからスタートまでのフォームを身につける練習を積んでいる。

3日の代走時は、1球目のけん制で帰塁できたことから「いけるかな」と、その後、半歩リードを大きくしてみたが2球目のけん制に刺された。「上体が高かった。でもアウトになったことで学べた」と前を向く。

結果は失敗も、試合後に栗山監督から「ギリギリの戦いをしないと1軍のレベルではセーフにならない。それだけのところでみんな勝負している。そこで勝負できるように自分で見つけてこいよ」と声をかけられた。実戦での収穫をもとに千葉・鎌ケ谷で鍛錬を続けている。

練習を繰り返す中で紺田コーチは「(構えから走り出しまでの)フォームはよくなっている、次は投手との間合いの取り方が課題になる」と話す。宮田は「次回、緊迫した場面で勝負できれば。それまでに自信をつけて」。次のチャレンジで成功させるべく長所を磨く。【山崎純一】