広島ホセ・ピレラ外野手(30=フィリーズ)が18日、4日ぶりに全体練習に復帰した。コンディション不良から回復し、三塁守備だけでなく、フリー打撃でも快音を響かせて全快をアピール。20日の中日との練習試合(マツダスタジアム)にも出場の意欲を示した。開幕延期も追い風に、期待の三塁候補が再出発を切った。

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4日ぶりの全体練習復帰で、ピレラは元気な姿を見せた。投内連係ではバント処理やピックオフプレーなどで軽快に動き、サインの理解度向上を証明。フリー打撃では「60~70(%)程度」という力の入れ具合ながらライナー性の打球を広角に打ち分けた。

「(開幕延期は)絶対的に自分のアドバンテージになると思う。違う投手、見たことのない投手との対戦が増えてくるでしょうし、対戦したことのないチームとも当たるかもしれない。相手投手の攻め方を勉強できる。開幕が遅れてマイナスになることはない」

来日1年目の開幕延期をプラスに捉える。14日ソフトバンクとのオープン戦前にアクシデントから練習を途中で切り上げた。15日は欠場し、前日17日の全体練習もウオーミングアップとフリー打撃中の打球捕のみ。開幕まで再びコンディションを上げる時間はある。

来日後再挑戦する三塁守備にも好影響を与える。オープン戦では外野と併用されたものの、佐々岡監督は「三塁に入ってくれたら助かる」と三塁定着に期待を寄せる。サインプレーが多く、米国で守った経験のある一塁を守らせていない点からも、三塁適応を最優先とする方針がうかがえる。

オープン戦9試合で打率4割、4打点を残した。初対戦の投手が多い中、短期間で適応し、首脳陣も高評価。好結果の裏には、主砲鈴木誠に助言を求める積極的なコミュニケーション力がある。「彼の考え方、相手投手の攻め方を聞くことによって自分に置き換えられる。いろんな勉強をさせてもらっている」。新助っ人にとって開幕延期はデータ収集や不慣れなポジション適応だけでなく、チーム浸透にもプラス。気温上昇も追い風となるだろう。20日中日との練習試合からの実戦復帰にも意欲を示す。より深く、より強く、開幕へ向けて新助っ人が再び走りだした。【前原淳】