先発7人体制。広島佐々岡真司監督(52)が19日、2軍の中日との練習試合(由宇)を視察した。

2軍調整中だった九里が4回3安打無失点、遠藤は4回1失点。結果次第で昇降格を示唆していた指揮官は2人の好投を認め、九里の昇格、遠藤の1軍残留を決めた。20日中日戦(マツダスタジアム)で始まる練習試合は1週間で最大5試合しか行われない中、先発を増員。開幕ローテ残り2枠を3投手で競わせ、相乗効果を期待する。

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両投手のアピール登板を見届けた佐々岡監督は九里を2軍から昇格させると明言した。そして遠藤も引き続き1軍に残すことを決めた。当初シーズン開幕予定だった20日から先発は7人体制となる。開幕ローテーションは大瀬良とジョンソンは確定。新人のドラフト1位森下暢仁投手(22=明大)も床田も濃厚だ。残る2枠を九里、薮田、遠藤の3投手で奪い合う。延期で先行きの見えない開幕へ向け、ローテ争いが“再開幕”する。

佐々岡監督 今回(九里を1軍に)呼んで、その中で回しながら競争していってもらいたい。今日、遠藤も九里が4回ゼロに抑えてプレッシャーがかかった中で投げたと思う。

監督が視察に訪れた登板で、九里は4回3安打無失点で応えた。前回の御前試合となった5日教育リーグのソフトバンク戦では、野球人生で初めて1試合7四球を与える散々な内容で2軍降格となった。「ふがいない投球をして自分としても情けなかった」。何度も映像を見返して修正。この日は無四球で1軍切符を手にした。6回から登板した遠藤も7回に1点を失ったものの、4回を投げ切った。前回11日DeNA戦はフォームを崩したが、この日は改善が見られ、引き続き1軍でローテ生き残りをかける。

各投手に登板数やイニング数を与えることを考えれば、1、2軍に分けたままでも良かった。しかも今週3試合を行った後は、翌週5試合、翌々週4試合と少なくなる。だが、大瀬良とK・ジョンソンの登板を1度空けるプランもあることから、佐々岡監督は同じ1軍で競わせることを決めた。「考え直すところもある。ローテーションを組みながら競争してもらいたい」。春季キャンプから野手ではタイプの似た選手を同組で練習させ、投手も調整過程のメニューを同じにするなど競争心をあおってきた。3月中旬となっても定まらない先発陣に、指揮官が調整をペースアップさせるムチを打った。【前原淳】