待望の今季1号が飛び出した。日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が24日、「4番一塁」でフル出場した2軍練習試合の西武戦(鎌ケ谷)の6回、右翼席へソロ本塁打を放った。昨年10月の右肘手術以降、初めての1発。新型コロナウイルスの影響で開幕は延期されているが、若きスラッガーは調子を上げてきた。

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打った瞬間、ゆっくりと歩き出した。6回先頭の第3打席。清宮がカウント1-1から、西武伊藤の投じた高め141キロの直球に反応した。「行ったかなと思いました」という打球は、右翼席に飛び込む今季実戦第1号。「結果がいいのはいいこと。よかったです」。昨年10月に受けた右肘手術後初アーチ。リハビリを乗り越え、自然と笑みがこぼれた。

空振り三振、捕邪飛と前の2打席では先発高橋光に抑えられていた。「あまり間合いもあっていなかったですし、タイミングがつかみ切れていなかった。それを生かして次の打席に入れた」と、凡退した打席での感覚を修正した。

2軍でキャンプを完走。今月11日ロッテとのオープン戦で1軍昇格すると、以降の実戦8試合で15打数4安打3打点。「調子自体は悪くなかったので、あとは打ち損じなく打つだけかなと思っていた。1発でとらえられてよかったと思います」と、最高の結果へとつなげた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、プロ野球の開幕目標は4月24日に設定された。初の開幕1軍、開幕出場を目指す自身だけではなく、開幕を待ちわびるファンにとっても明るい話題となった。「(開幕延期は)特に変わりはない。自分は本当に目の前の試合で打ち続けるだけだと思う」とキッパリ。この1発をきっかけに、さらに調子を上げる。【山崎純一】