プロ野球とJリーグが連携して設置した「新型コロナウイルス対策連絡会議」は11日、第7回会議をオンラインで行い、感染症の専門家チームは現状では開幕日、再開日を決めるのは難しいとの見解を示した。

政府が4日に緊急事態宣言を延長したことを受け、座長の賀来氏は「本日の会議で開催の日を決めるのは難しいとお伝えした」と語った。ただ「全国で新たな患者数が減少傾向にあるのは事実、まだ予断を許さないが、今後の状況を見ながら再開に向けた準備を行っていただきたい」と述べた。

専門家チームは開幕、再開を前提にチーム内に感染者が出た際の対応、移動リスクを考慮した対策を盛り込んだガイドライン作成を提言した。3月の第3回会議ではチーム及びファン、サポーターに向けた感染症対策の提言書を配布。賀来氏は「台湾、韓国のガイドラインを入手したので、それを参考に日本独自のものを作成したい」とした。三鴨氏も「チーム内に2~3人の感染者が出て戦力不均衡が出てきた場合の対応なども考えておいた方がいい」と踏み込んだ。

賀来氏は開幕、再開のめどに「実効再生産数」「陽性率」より「新規感染者数の推移」「医療体制」を重視する個人的見解も示した。16日から無観客での試合再開を決めたブンデスリーガで全選手、スタッフにPCR検査が実施されたことには「シーズンを乗り切るのに必要だろうと分かっているが、各国で状況が違う」と説明。PCR検査へのハードルが高い日本で現状は全員実施は難しい。村井チェアマンは近日中に承認予定で短時間での検査が可能な抗原検査に言及。「1人1検体でなく、10人のグループで陽性だったらその中で1人ずつ検査するとか。国民のコンセンサスがある前提で少し光が見えた」と可能性を口にした。【寺尾博和】

◆陽性率 新型コロナウイルスへの感染を調べるPCR検査などで実施件数に占める陽性者の割合。