聖地への思いを、楽天涌井秀章投手が口にした。15日、楽天生命パークでの自主練習後にオンライン取材に対応。新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園の中止が検討されているとの報道に「中止に向けて動いていることは寂しいこと。やっぱり甲子園は野球をしている人にとっては憧れの場所。そこで一気に急成長してプロに行くこともある。できる限りやってほしいなというのはあります」と反応した。

目に見えない力を肌で感じた。夏の甲子園には横浜高3年時の04年に出場。1回戦から3試合連続で2桁三振を奪い、全て完投勝利。ベスト8まで進んだ。「甲子園の2、3週間で一気に伸びた。その後の人生が決まったと自分の中ではある。必要なものだと思う」と自身の成長を促した日々をかみしめた。

未曽有の事態に、開催判断は難しい判断を迫られる。ただ、何ものにも代え難い経験を味わってほしい、との願いもある。「野球に興味がない人でもみんな高校野球は見たことがあると思う。他の競技もそうですけど、高校生のこの時期はすごく大事。簡単に中止とは決めてほしくない」。球児の胸の内を代弁するように、言葉を選んだ。【桑原幹久】