野手転向2年目の西武川越誠司外野手が、開幕1軍をたぐり寄せる決勝弾を放った。5回に代走で出場し、第1打席となった7回1死一塁の同点の場面。外角高めの直球をフルスイングし、右翼スタンドへ放物線を描いた。勝ち越し2ランに「自分の場合は長打を求められると思うので、思い切りよく初球から振っていこうという気持ちで入りました」。2球目のファーストストライクを仕留めた。

出ばやしから空気を変えていた。線香のCMでおなじみの日本香堂「青雲のうた」。川越が生まれる前の81年から使われる曲に乗って打席に入った。選曲は先輩の山川。「初めて流したけど、けっこう良かったっす」。激しい外野手争いに猛アピール。ほぼ確実となった、野手で初めて迎える開幕1軍でも採用する。

山川プロデュースは曲だけにとどまらない。昨オフから自主トレ、自主練習で同行し、山川の高校時代の陸上部顧問が考案した体幹トレーニング「えいてつメニュー」も一緒にこなしてきた。過酷なメニューに「下半身を中心にずっとやってきたので、けつだったり、そこらへんが一回りでかくなった。足に疲労がたまりづらくなったな、強くなったなという実感があります」。名プロデューサーの演出によって、新たな山賊が加わった。【栗田成芳】

◆えいてつメニュー 山川の母校・中部商(沖縄)で陸上部の顧問だった赤嶺永哲氏に、山川がお願いし考案されたメニュー。プレートやバーベル、メディシンボールを使いながら、体幹を鍛える。今春キャンプでは、同僚の森、川越の3人で全体練習後に居残りで取り組んでいた。