投手力ある中日はチャンス! 日刊スポーツ評論家の権藤博氏(81)が16日、中日の今シーズンを展望した。6連戦が続くだけに投手陣の層がペナント争いを左右するとし、中日優位と見た。その上で守護神の固定をカギに挙げた。与田剛監督(54)らは熱田神宮で必勝祈願を行った。7年連続Bクラスからの脱出を懸けたシーズンは19日に開幕する。

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3カ月遅れ。120試合制。近年行われていた交流戦もセ・リーグはクライマックスシリーズもない。何もかもが前例のないシーズンが始まるわけだが、難しく考えても仕方がない。中日は120試合に圧縮されたことで圧倒的優位にあることを自信に開幕に臨めばいい。

6連戦が4カ月以上続く日程になるであることを考えると投手陣に厚みのあるチームが有利であることは間違いない。2軍も含め中日投手陣の質、量は他球団を上回っている。特例として出場登録枠も増え、状態のいい投手をどんどん活用できる環境も整った。ただ課題はある。抑え投手と捕手の固定化だ。

長期低迷の最大の原因はこの2つの課題に行き着く。いまもなおポスト岩瀬、ポスト谷繁といったフレーズが使われることが7年連続Bクラスに直結している。ゲーム終盤まで有利に進めながら、8回、9回でバタバタしてしまう。特例措置の延長10回制。それ以外にも不確定要素が多い今季の戦い方を考えると、例年以上に抑え投手の重要性は増す。捕手も近年固定しきれなかったことを踏まえると、新たな人材を抜てきする覚悟も必要だろう。

さて、いったいだれを抑えに起用するのか。自身が抑えのスペシャリストだった与田監督の決断と覚悟に注目したい。資質を持った投手は多い。ここまでの起用法を見ていると岡田がその有力候補なのだろうが、一度決断したらぶれることなく、貫いてほしい。(日刊スポーツ評論家)