三木流用兵術でペナントを制す。楽天三木肇監督(43)が17日、変則シーズンを乗り切る投手起用の腹案を明かした。19日からのオリックスとの開幕3連戦(京セラドーム大阪)に向け、1軍登録31選手を投手15、野手16に割り振った。投手の内訳は先発6、救援9。指揮官の狙いは明確だ。

<1>先発の球数・イニング制限 5月8日に12球団で最後に活動を再開。6月2日の練習試合まで紅白戦などは行わず、状態の向上に努めた。態勢が整うまでは5、6回をメドにブルペンへバトンを渡す。

<2>第2先発 昨季62試合登板の青山、同48試合登板の高梨らが外れ、牧田、酒居、安楽ら先発の経験者を配置。救援左腕は辛島だけだ。三木監督は「いい左打者に左投手をあてることも策の1つだけど、個人的には、あまりそういうことはない。先発も制限がある中で、ワンポイントよりイニングが投げられる投手も必要」。左右に固執しすぎず負担の分散に重きを置く。

<3>外国人枠「1増」 伊藤投手チーフコーチは「8、9回は固定で、6、7回は外国人3人から2人の中の1人でまかないたい」。新守護神の森原へつなぐ8回は、ブセニッツが有力。宋家豪、新外国人のシャギワを含め出入りを流動的にして鮮度を保つ。

指揮官は「もちろん全部勝ちにいく気持ちでやる」とした上で「どうやって勝つか、またどういう負け方をするかもポイント」と策を練る。昨季の救援防御率3・07はリーグトップ。矛自慢がそろうパ・リーグを鉄壁の盾を手にかき分ける。【桑原幹久】