進撃を続ける巨人は、相手の壁をいとも簡単に破壊する。今シーズン2度目の2桁得点となる今季最多の12得点でヤクルトを粉砕。「4番」に座る岡本和真内野手(23)が、「超大型巨人」のごとく、相手投手陣を駆逐した。

4号ソロを含む4打数3安打の大暴れ。チーム唯一の猛打賞で、打率を4割7分2厘に伸ばした。好調にも「始まったばかり。気は抜けない」。開幕から3カード連続で負け越しなし。9試合を終えたところだが、敵の防御を完全に排す。

チームメートでさえ恐怖のあまり? 体が硬直した。8点リードの6回に左中間席中段へぶち込んだ1発に、仲間たちは最敬礼で出迎えた。先輩の坂本、丸が頭を下げれば、メジャーで世界一を経験したパーラも、両手を太ももに付け、日本式の「おじぎ」をせざるを得なかった。原辰徳監督が「こういう時期はチームがなかなか安定してないんでね。何が起こるか分からないという中でね、ゲームをまだ運んでいる」と言う中心に、岡本が核としてそびえ立つ。

1番がここ3試合で日替わりでも-。2、3番の並びも「サカマル」「マルサカ」と変わることはあっても-。岡本の打順が開幕から変わることはない。古くは「ゴジラ」。第62代4番を務めた元ヤンキース松井は絶対的な4番として、敵を破壊し続けた。時は令和。第89代4番の「超大型巨人」岡本が壁の上から駆逐のタイミングを見計らっているからこそ、どんな打順でも、相手の壁に穴をあけられる。【栗田尚樹】

▽巨人坂本(2安打2打点で勝利に貢献)「みんなでつないで、いい点の取り方ができた」

▽巨人石川(9回に代打で出場し、左翼に今季1号3ラン)「日頃から『代打は1球で仕留められるようにしないといけない』と亀井師匠から教えていただいているので、その1点に集中して、実行できた結果だと思います」

▽巨人藤岡(3番手で登板し、1回無失点)「やり返すチャンスをもらえたので、強い気持ちを持って投げました。これからもチームのために与えられた場面で一生懸命、投げ続けていきます」

▽巨人宮国(4番手で登板し、1回を3者凡退)「意気に感じて投げました。昨日の今日でしっかりと抑えることができて良かった」