6年目のソフトバンク笠谷俊介投手が、うれしいプロ初勝利を挙げた。「1軍に来てはすぐ落ちて、ずごく悔しい時期があったけど、こうして初勝利ができてうれしい」。敵地でのヒーローインタビューに呼ばれ、照れくさそうな笑顔を見せた。

緊急登板にも動じなかった。先発東浜が右足に打球を受け、3回を投げ終えて降板。4回から急きょ、マウンドに上がった。吉田正、ジョーンズ、T-岡田の中軸を抑え、5回も3者凡退。2回22球を投げ、無安打無失点と完璧な救援だった。「準備はできていたし、落ち着いて投げることができた」と振り返る。

8日の楽天戦(ペイペイドーム)では、故障離脱した新助っ人ムーアの代役で先発登板。2回6安打7失点と大炎上した。それから3試合目で、白星が転がり込んだ。「捕手のミットめがけてしっかり腕を振って投げようと思った」。ウイニングボールは大分の実家に送るつもりだ。期待され続けた左腕が、プロ1勝を飛躍の転機にする。