いつもの姿ではなかった。楽天先発則本昂大投手が制球に苦しんだ。

2回先頭山川に死球を与えると、続く森も歩かせてピンチを招いた。そこからあっという間に4連打で3失点。3回にも山川に本塁打、中村には高めに浮いたカーブをセンターフェンス直撃の適時二塁打とされた。今季ここまで4試合で防御率0・98だったエースが、5回10安打5失点で初黒星を喫した。

試合前のブルペンでは悪くなかった。だが3人で抑えた初回の投球からおかしかったという。「コントロールが良くなかった。(初回からしっくりいかず)マウンドでアジャストしていかないといけないのに、それができる前に点数を取られてしまった」と振り返った。

今季は常時セットポジションで投げ、臀部(でんぶ)で回転することを意識し、体の軸がぶれないようにする新フォームを導入。力のロスが少なく無駄な動きがそぎ落とされ、ここまでは結果的に制球力も向上するメリットが得られてきた。ただ新たな取り組みで当然、微調整が必要な時もある。則本昂は「フォームだったり、動作がうまくいかなかったと思います。また映像を見て、どこがいけなかったか分かると思う」。しっかりと体の動きを分析し直し、1週間後の登板に備える。【千葉修宏】

▽楽天三木監督(則本昂について)「ひと言で言うと則本らしくなかった。細かい制球力もそうですし、ボールの強さも本来の則本と比べるとなかった。でも本人が1番分かっていると思う。そういう選手なので」

▽楽天伊藤投手チーフコーチ(則本昂について)「勝負どころで球が甘くなってしまった。毎回のようにピンチを背負ってしまったので疲労も考えて5回で交代させました。ボールの力自体は最初はあったけど、中盤少し落ちたかな」