ソフトバンクの「ニュー3、4番コンビ」がリーグトップ級の投手を打ち砕いた。開幕3連勝のオリックス山本と今季初対戦。7回に3番柳田悠岐外野手(31)が先制打を放つと、4番中村晃外野手(30)が今季初アーチとなる2ランで続いた。6回までわずか1安打も、3連打を集めて試合を決めた。中村晃が4番に座る新オーダーで3連勝とし、敵地でのオリックス6連戦は5勝1敗。最高の形で地元福岡へ戻る。

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新たな主軸コンビが、好投手を打ち砕いた。オリックス山本は昨季最優秀防御率で試合前までリーグ1位の防御率1・82、開幕3連勝だった。今季初対決は「3番柳田&4番中村晃」の2人で全3打点。工藤監督の攻略への思いに選手が応えてみせた。

6回まではわずか1安打だった。7回に先頭の2番上林が152キロの直球を左翼線へはじき返す二塁打で先陣を切ると、前日18日に特大150メートル弾を放った柳田が右越えの適時二塁打で先制。0-0の均衡が破れて球場のざわつきが収まらないうちに、中村晃が2球目の直球を右翼テラス席にたたき込んだ。昨年3敗を喫した山本を見事に攻略した。

工藤監督は「調子のいい選手を上から並べるように打撃コーチに伝えていた」。4試合無安打のバレンティンを6番に下げ、不動の3番柳田に4番には3試合連続で中村晃を起用。2番に今季初めて上林を持ってきた作戦もはまった。

柳田は「打ったのはフォーク。甘くきた球を1球で仕留めることができました。二保も良いピッチングで頑張ってるし先制できて良かった」と話せば、中村晃も「いい投手なので早めに打ちにいった。走者を進める意味でも引っ張ろうと思っていた」とつなぎの意識の結果を強調した。両膝痛もあって開幕2軍だった中村晃が11日に1軍昇格してチームは7勝1敗。4番に座ってから3連勝と救世主となっている。「トレーナーのおかげで、今があると思っているので感謝してます」。新4番のバットは周囲への感謝でできている。

敵地でのオリックス6連戦を5勝1敗、貯金4の土産を地元に持ち帰る。「中村晃くんが合流して打線もつながってきた。良い形で福岡に戻れる」と工藤監督。05年に球団名がソフトバンクとなってから通算1197勝。「マジック3」とした区切りの1200勝はペイペイドームで決める。【浦田由紀夫】