「大砲」よりも「しぶとい4番」が勝利をたぐり寄せるのかもしれない。ソフトバンク中村晃が、いぶし銀の打撃で勝ち越しの2点適時二塁打を放った。

3回、柳田の適時打で同点とし、なお1死二、三塁。6球目の直球を見逃さなかった。有原の153キロの速球をはじき返し、左中間を割った。「最低でも犠牲フライを打てればいいと思って打席に入った。次につなぐ意識で打った結果かな、と思う」。2人の走者の生還を確認すると、中村晃は二塁ベース上で小さくガッツポーズを作った。

プロ13年目にして初の「4番」に座ったのが、17日のオリックス戦(京セラドーム)。7戦連続で先発4番に座り、チームは5勝2敗。息を吹き返し、ついに単独首位に立った。「4番という意識はない。次の打者につないでいくという、いつも通りのプレースタイルでやっています」。先発東浜とともに上がったお立ち台では、打席同様? 冷静にインタビューに答えた。4番では23打数8安打、6打点。打率3割4分8厘。頼れる選手会長は、バットでもチームをけん引し続ける。【佐竹英治】