西武栗山巧外野手(36)が史上45人目となる通算350二塁打をマークした。ロッテ11回戦(メットライフドーム)に7番左翼でスタメン出場。2回1死一、三塁で中堅右へ先制二塁打を放った。6回には直前の中村剛也内野手(36)の同点二塁打に触発されたという勝ち越し二塁打を放ち、記録を351に伸ばした。

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メットライフドームを訪れた4816人のファンが沸いた。2回1死一、三塁。栗山がロッテ中村稔の高め143キロ直球を中堅右へはじき返した。二塁へ悠々と到達する先制の“スタンディング・ダブル”。350二塁打の記念のボードを手渡されると大きな拍手が起こった。

区切りの一打だが「特に意識してることはなかったです。もっともっと積み重ねていく中の1本」という。その言葉通り、6回1死二塁では左中間を破る勝ち越し二塁打。通算記録を351本に伸ばした。

実は2本目の二塁打は、前を打つ同学年の中村に触発されたものだった。普段は「おかわり(中村)はすごいバッターなので、あまりおかわりの打球を見ないでおこうとしている」。だが、この日は直前の右中間への火の出るような同点二塁打を目の当たりにし「今日は見ちゃいましたね。すっごい速い打球だったので。あれいいなと思って」。自らも逆方向への低い当たりで左中間を破った。辻監督も「栗山と中村が元気であることが3連覇のカギ。6連戦の中で一番疲れた、この日曜日にこれだけのパフォーマンスができる2人の精神的な強さと肉体的な強さにびっくりしています」と手放しでたたえた。

栗山は、自身が本塁打をたくさん打つ打者ではないことを理解している。その上で理想の二塁打を追い求める。「外野手の間を抜く、低い、強いライナーが出たら二塁打になる。目指している打球ということです」。今後も思い描く打球を目指し、バットを振り続ける。【千葉修宏】