左腕エース候補がエンジンを吹かし始めた。阪神高橋遥人投手(24)が30日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(タマスタ筑後)に先発する。左肩コンディション不良のリハビリも佳境に入り、今回5イニングを投げれば故障者リストから外れる見込み。「結構(リハビリが)長かったんで…。早く外れたいです」とリミッター解除の時を待ちわびた。

前回22日はパナソニックとのプロアマ交流戦で約4カ月ぶりの先発マウンドに上がり、3回を1安打無失点。7月3日に実戦復帰後、計7回連続無失点と2軍で貫禄の投球を見せている。ボールのキレについては「もうちょっと上げられる」と納得していない。それでも150キロに迫る直球の強さ、ツーシームやカットボールの鋭さは誰の目にも健在だ。

もともと、今季は西勇、青柳と先発3本柱の形成を期待されていた立場。今回無事5イニングを投げきれば、一気に1軍昇格が近づく。「イニングが伸びてくると、走者を背負うことも多くなると思う。その中でもしっかり試合を作れるようにしていけたら。ピンチがあってもしっかり抑えられるようにしたい」。まずは掲げたテーマを冷静にクリアする。

1軍先発陣は防御率1点台の大黒柱・西勇、リーグ最多タイ4勝の青柳を先頭に、岩貞、秋山、ガルシアが奮闘している。藤浪も復調の気配を漂わせている。夏場の過酷な連戦へ、ここに高橋まで加われば、迫力は格段に増す。「(先発陣に)いい投手がたくさんいる中で、やっと競争に入っていける。1軍に上がるリストに入ってくるように頑張りたいです」。頼もしい左腕がいよいよ戦闘モードに突入する。【佐井陽介】

 

◆高橋遥のこれまで 昨季5月から先発ローテ入りし3勝9敗。今季は春季キャンプで矢野監督から投手のMVPに挙げられるなど期待されたが、左肩のコンディション不良で開幕ローテ入りを逃した。7月3日の2軍戦で101日ぶりに実戦復帰、1回を無失点に抑えた。その後2度の2軍戦登板でも好投し、状態を上げている。