ベテランのソフトバンク和田毅投手(39)が、力強い投球を見せた。オリックスとの今季2度目の対決。前回7月15日(京セラドーム大阪)は6回わずか1安打無失点の投球で勝ち星を挙げた。その快投のさらに上をいった。

初回先頭打者の福田に対して、直球主体で攻めて中飛に仕留めると、続く西村には直球で空振りの三振を奪った。前半5回までの最速は145キロ。持ち前のキレと制球力で6回2/3、3安打無失点のほぼ完璧な内容だった。

この日、福岡地方は気温35度を超える猛暑日となった。ペイペイドームでの試合とはいえ、今年39歳となった和田も体力には人一倍気をつかっている。「とにかく睡眠です。1日8時間は寝るようにしている」。疲れを残さないことを重要視している。そして、今年一番気にしていることとして「免疫力を落とさないこと。今年は特にこれに気をつけている。寝ること、食事。当たり前のことだが、当たり前にしていきたい」。チームメートの長谷川が新型コロナウイルスに感染した。最大限の注意をはらわないといけない。ベテランの気持ちもさらに引き締まっている。

左肘手術を経験し、左肩も痛めた経験もある左腕。シーズンを通してローテーションを守るためも夏場は勝負の時でもある。「体力を追い込む時と休むときと、メリハリをしっかりつけている」。今季開幕して3試合を登坂した後、休養のために1度登録を抹消した。工藤監督も「体調をみながら今後も休ませることもある」とベテランが万全のコンディションでマウンドに臨める環境を整えている。

味方打線が5回に2点を先制した。2戦連続で9番に座ったベテラン松田宣が2点適時打を放った。37歳のバットがさく裂すれば、39歳和田と38歳高谷のバッテリーも燃えないわけにはいかなかった。【浦田由紀夫】