ソフトバンク石川柊太投手(28)がチームトップで開幕から無傷の5勝目を挙げた。中14日での先発で6回途中を8奪三振無失点。

プロ入り後自己ワーストの7四死球を与えながら、ホームを踏ませない「怪投」を見せた。前日15日にノーヒットノーランを達成した創価大の1学年先輩、ヤクルト小川の活躍から刺激を受け、18年からの連勝を「10」に伸ばした。

   ◇   ◇   ◇

前回登板から中14日の間隔を空け、石川は制球に苦しんだ。「初回はいい感じに投げられたんですが、それだけに反動というか、感覚のずれが多かった」。3人で抑えた3回以外はすべての回で四球を与えた。1、2、4回は得点圏に走者を置きながら無失点。「内容はどうであれ、しっかりストライクを投げられれば、抑えられる手応えはあった。野球は難しい」と試行錯誤しながら踏ん張った。6回2死満塁で降板したが、自己ワーストの7与四死球に2安打で0封。「怪投」で開幕から無傷の5連勝。チームトップの勝ち数となった。

前夜の快挙が刺激になった。創価大の1学年先輩であるヤクルト小川がノーヒットノーランを達成した。プロに進んだOBたちで作ったLINEグループで知り「大学の頃から常にすごい人。影響されて『頑張らないと』と思いました。負けないように。OBみんなで、大学を盛り上げられるようにと思ってやっているので」と力をもらった。

その際に、石川独特の感性で「吉兆」を感じ取ったという。石川は前回の8月1日西武戦で1安打完封勝利を挙げていた。「それを超えられて『くっそー』と思うメンタルだと良くないと思った。でも率直に『誇らしい』と思えるメンタルだったので、大丈夫かなと思いました」。小川を意識することが力みなどマイナスに作用する不安はないと確信し、思う存分に腕を振った。

18年から足かけ3年で10連勝となった。石川は「物足りないですね、全然。ここで終わったら5勝止まりなので。勝ち続けて2ケタとかいけるように。今はまだ序盤のつもりで。積み上げていくものなので」と口元を緩めることなく、上だけを見つめた。【山本大地】