強竜打線が覚醒し、今季初の4連勝で3位に浮上した。中日の主砲ダヤン・ビシエド内野手(31)の2本塁打を筆頭に先制2ランのアルモンテ、3戦連発の阿部と合わせて今季最多の4発だ。12安打で今季最多の11点を奪ってヤクルトを圧倒した。与田政権2年目で初めて4カード連続の勝ち越しを決めた。Aクラス復帰は約2カ月ぶり。中日が真夏の反攻を開始した。

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東京の夏を彩る神宮外苑花火大会ばりに、敵地で強竜打線が打ちまくった。初回にアルモンテが放った左翼ポール直撃の先制2ランをファンファーレに、3回はビシエドがソロ、さらに阿部も自身初の3戦連発となるソロでアーチ競演に加わった。ビシエドは7回にも2ランを放ち、中日が7年ぶりに2試合連続で3本塁打以上という空中戦でヤクルトを粉砕した。

8月に入って当初は7試合無安打ともがいた主砲は完全に覚醒してきた。

ビシエド (チーム状態は)すごくいい。僕だけじゃなくみんなすごくいい。一致団結して1つになって戦っていけている。誰かが打てなくても、他の誰かがカバーすることができている。

前夜の4安打2打点の勢いは止まらず、2本塁打を含む3安打4打点で、来日5年目の貫禄を見せつけた。

左脇腹痛から14日に1軍復帰したアルモンテは来日3年連続3度目となる2戦連発だ。得点力アップのために攻撃型2番に入って4試合目。スイッチ大砲の魅力を全開にしてきた。

アルモンテ 打った瞬間、飛距離はあると思ったが、切れずにうまくポールに当たってくれて良かったよ。

両助っ人を中心にいずれも今季最多の4発、11得点を挙げた。ゲーム差こそないが、試合前の5位から一気に3位に浮上。6月23日以来となるAクラスに返り咲いた。最大9あった借金も3まで減少。与田監督は「序盤の2回までに4点取ってくれた。ピッチャーも楽になるので本当に頼もしい打線だと思う」と、昨季リーグ1位のチーム打率(2割6分3厘)を誇った打線の復調を手放しで喜んだ。竜の反攻劇が本格的に幕を開けた。【伊東大介】