阪神が歴史的貧打で首位巨人に3試合連続完封負けを喫し、今季最大の8・5ゲーム差をつけられた。「しっぽを巻いて帰れない」と必勝を期していた矢野燿大監督(51)は、来日初4番に得点圏打率1位の好調サンズを入れ、今季巨人戦0打点の大山を6番に下げる新オーダーを組んだが戸郷らの前に4安打。巨人本拠地での3試合連続0敗は、藤本定義監督時代の1963年(昭38)以来57年ぶりの屈辱で、打てない虎がもがき苦しんでいる。

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宿敵との今カード3連戦で、1度もホームを踏めないまま終わった。終盤3イニングはいずれも得点圏に走者を置いたが、あと1本が出なかった。打線が3試合連続無得点に封じられての3連敗。悔しすぎる3試合を、矢野監督は「やりたいことをやられた。受け止めるしかないと思っています」と振り返った。

0点地獄から脱出すべく、大幅な打線改造を施して臨んだ。7月上旬から4番に置いていた大山を6番に。4番に勝負強いサンズを組み込んだ。だが、6回まで三塁を踏めず。最大のチャンスは7回。先頭サンズが見極めて四球で出塁。1死後、6番大山がこの日2本目の安打で好機を広げた。それでも、梅野の一打は巨人サード岡本の好守に阻まれ、2死満塁後は代打中谷が見逃し三振。8、9回もあと一打が出ず、今季ワーストを更新中の連続無得点イニングは「36」に伸びた。チームの安打数も、4試合連続で4安打以下(4→3→4→4)に終わった。

矢野監督は言う。「みんな(何とかしようという)気持ちはある。(しかし)思いを結果にしていかないとプロじゃない。これで何も終わるわけじゃない。自分たちで流れを変えていくような試合をしていくしかない」。今季東京ドームでは開幕から6戦合計4得点で全敗。巨人本拠地での3連戦3完封負けは57年ぶりの屈辱だ。借金4に膨らんで5位に落ち、巨人とのゲーム差も今季ワーストを更新する8・5に広がり、5位にも後退した。だが、指揮官の言葉通り、すべてが終わったわけではない。

残り69試合での反攻の1歩を、21日ヤクルト戦で刻みたい。先発は藤浪。矢野監督は力を込めた。「もちろん晋太郎が頑張って。(そして)点取らないことにはどうにもならない。まずは晋太郎に頑張ってもらうのは大事な部分になると思うけど、これだけ点取れないとチームも乗ってこない。何とか。1人では点は入らない。1人1人が状態を上げていかないとダメだし、気持ちと結果をつなげていかないとダメだと思います」。今季4戦4敗の右腕の奮闘初勝利でチームも連敗脱出へ。最高のシナリオ実現には、打線が援護が不可欠だ。【松井周治】

▼阪神は巨人戦に今季2度目の3連敗。巨人に対しては、07年に14勝9敗1分けと勝ち越したが、以後は09~11年にタイに持ち込んだことはあるが、12年以降は負け越しが続いている。その原因のひとつが、巨人戦での3連戦3連敗の多さだ。今季を含めた最近10年でみると、3連戦3連敗が14回と他球団と比べて多い。喫するとダメージが大きいだけに、今後の対策が急務だ。

 

◆63年の3連続完封負け

▼5月18日 阪神小山が坂崎に先頭打者本塁打を被弾。4回に船田の適時打で2点目を失った。それでも5安打2失点で完投も、打線が巨人北川に4安打に封じられ、同14日の大洋戦に続き2試合連続完封負け。

▼同19日 先発石川緑が王の13号3ランなどで3回4失点KO。巨人中村にはわずか79球で3安打に抑えられた。

▼同20日 先発本間が7回3失点も、打線が伊藤に2安打で4戦連続完封負け。その後、22日の国鉄戦まで38イニング無得点。