古巣との3度目の対戦を終えたロッテ美馬学投手は、ふうっと息を吐いた。「いやあ、強い。それに尽きます」。

同僚だった時は頼もしく、心強かった打線。6回8安打4失点と苦しみながらも、楽天戦でやっと、移籍後初勝利をつかんだ。

3回に1点勝ち越しを許したが踏ん張った。4回からテンポよく切り替え、好調だったカットボールを早いカウントで多投。自ら投ゴロ併殺に仕留めるなど、4番浅村にも長打を許さなかった。前回までの対戦成績は0勝1敗、防御率9・00。「打たれっぱなしじゃいけない。今はロッテの選手にたくさん援護してもらっている。この回で降りるって決まってたので、何とか勝ってほしいなと思ってました」。予定通りの6回を投げきり、逆転を信じた7回。願いは実現した。

楽天との直接対決は順位に直結する。特に仙台ではこれまで1勝5敗だった。井口監督が「ゲーム差がほとんどない。ここは大事」と位置付ける3連戦を白星発進。相手先発の弓削を1回1/3でKOし、週頭からリリーフを6人使わせた。先発が耐えられたか否か。この差は翌日以降に生きる。ナインとエア・ハイタッチする美馬の表情は、穏やかだった。【鎌田良美】

▽ロッテ福田秀(7回の決勝2点二塁打やバント安打など3安打)「ほっとしてます。なかなか監督、コーチの期待に応えられず、もどかしさがあった。良い時も悪い時も、元気に明るくプレーしようと思っていた。今日は良い日だったので素直に喜びたい」

▽ロッテ井口監督(7回に打者一巡の猛攻で連敗を止め、2位死守)「2回、3回とチャンスをつぶして重い空気でしたけど、自分たちで殻を破ってくれた。福田秀もようやく彼らしい打撃になってきた」