一体感で乗り越えろ。広島が石原慶幸捕手(40)の負傷交代のショックを振り払えず、DeNAに負け越した。先発K・ジョンソンは開幕から9試合勝ち星なく、6敗目。チームも2カードぶりの負け越しとなった。この日は会沢翼捕手(32)もベンチ入りメンバーから外れた。停滞感とともに、精神的支柱のアクシデントを乗り越えなければならない。

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何度もマウンド上で深呼吸して、自分を落ち着かせた。先発K・ジョンソンは味方の好守をたたえ、厳しい判定にも表情を変えず、ベンチで迎えるチームメートに応えた。開幕から登板9試合で勝ち星がなく、6敗目。それでも毎回ピンチを招きながら、6回を3失点にまとめ、5回から初めてバッテリーを組んだ坂倉とも呼吸を合わせた。結果には結びつかなかったが、前を向く材料はあった。

立ち上がりから直球の球速は140キロ台後半を連発。力で押した。許した6安打のうち長打は1本。粘り強さもあった。ただ、失点はいずれも味方の援護点の直後。特に1点リードの4回に逆転打を浴びたのは、投手の井納だった。投球内容は上がっているだけに、結果が悔やまれる。佐々岡監督も「(井納に打たれた)あそこだけだね。不用意に行った。ストライク先行で我慢強く行っていただけにもったいなかった。前回も、見えた。本人も変わろうとやっている。球の力はあった。本当に1つ勝てば変わると思う」と復調の兆しを感じている。

沢崎投手コーチも「本当に粘って6回3失点で試合をつくってくれた」と、7月30日中日戦以来3度目のクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を評価した。森下、大瀬良、遠藤が続く週末のローテーションが安定。今季は6連戦が続き、来週は13連戦が控える。ローテ再編が困難な状況なだけに、週頭に先発する3投手が鍵を握る。経験のあるK・ジョンソンの復活は浮上に欠かせない。

今カード負け越しで借金が5に逆戻り。5回には石原慶が負傷交代した。28日以降、病院で検査を受け、戦列から離れる可能性もある。正捕手の会沢もこの日「コンディション不良」を理由に、球場に姿を見せず。精神的支柱2人のアクシデントは、チームに影響を与えかねない。危機的状況を乗り越えるためにも、指揮官が掲げる一体感が必要だ。【前原淳】