巨人菅野智之投手(30)が、中日大野雄との「究極のエース対決」を制した。7回5安打無失点で、開幕戦から無傷の10連勝。球団では38年春のスタルヒン(11連勝)以来2人目の快挙を達成した。最速153キロの速球を軸に、フォーク、カットボール、スライダー、パワーカーブの5球種を緩急すべての球速帯で織り交ぜた。チームは今季最多の貯金19。原監督は、川上哲治氏が持つ巨人監督の通算勝利記録1066勝に王手をかけた。

◆1938年(昭13)の出来事 近衛文麿内閣のもと4月1日に国家総動員法が公布されるなど戦時体制確立が本格的に進んだ。日中戦争は激化の一途をたどり7月15日には東京オリンピック(五輪)の中止を決定せざるを得なかった。ヒトラーのナチスドイツがユダヤ人を迫害。チャプリンの「モダンタイムス」が好評を博し、17歳でデビューした李香蘭が人気を集めた。横綱双葉山は全盛期を迎え、淡谷のり子の「雨のブルース」が流行した。プロ野球は1リーグ制で、春と秋の2期で開催。春は巨人スタルヒンが11連勝を飾ったものの、景浦将が打線をけん引した大阪タイガースが優勝。3月に南海が誕生、9チームに増えた秋は中島治康の史上初3冠王の活躍などで巨人が制した。年度優勝は決定戦で4連勝した大阪タイガースだった。