ソフトバンクが歴史的なロング中断を乗り越え、楽天にカード3連勝を決めた。試合開始から降っていた雨の影響で1回裏に37分、7回裏にも55分間試合が止まった。中断時間も合わせると5時間半を超える死闘を終えた工藤公康監督(57)は「切れてしまいそうな雨の中で、いい集中力を保ってくれた」と振り返った。

初回に37分の中断があったが、先発東浜は5回2失点と粘投。リードを保ったまま継投に入ったが、指揮官はコールドも意識し早め早めの救援策で勝負に出た。1点リードの7回には、本来なら8回の男であるモイネロを投入。だが1死一、二塁と走者を背負ったところでこの日一番の豪雨がグラウンドを襲った。このとき21時54分。まさかの2度目の中断だ。雨が上がってもグラウンドの状態は悪く、整備にも時間を要した。この時間、首脳陣は審判団に何度も整備の状況などを確認し、入念にブルペンの準備を進めた。

55分後の22時49分に再開。球場に響く応援歌の収録音も消え、選手の登場曲もボリュームが下がっていた。救援した松本は岩見を併殺打に打ち取り見事な火消し。集中力の切れそうな状況で、試合の流れを離さない快投だった。

2位ロッテは敗れ、ゲーム差は1・5に広がった。11日は午前中に空路で本拠地の福岡に戻り、移動ゲームで西武を迎え撃つ。過密日程の中で厳しい戦いは続くが、工藤監督は「この3連勝は大きい」と明るかった。【山本大地】