天敵の本拠地で、ソフトバンクが「恐怖症」を再発させて完敗した。ロッテ相手に先発二保が制球を乱し、2回もたずにKOされた。打者14人に4四死球4安打7失点。味方の失策もあったが、打者と勝負する前に自滅した。

井上に2打席連続適時二塁打で4打点、元チームメート福田秀には2打席連続適時打を含む4打席連続安打の3打点を許した。投手陣が同じ打者に同じように打たれたばかりでなく、中村奨に2打席連続四死球、マーティンにいたっては全5打席四球を与えた。結局、ロッテに対して今季3度目の2ケタ10四死球。投手陣が「恐怖症」に襲われた。工藤公康監督も「本人としては(四死球を)出そうと思って出してるわけではないけど、出してしまうと勝負してないと見えてしまう」と頭をかかえた。

ロッテ美馬には5回まで7安打4得点も、4戦4敗。結局、ロッテを上回る12安打を放つも、2回までの7点ビハインドは大きかった。これで9月の成績は2試合を残して10勝12敗2分けとなり、月間勝ち越しを逃した。今季はコロナ禍で変則日程だが、9月に勝ち越せなかったのは工藤監督となって初めて。日曜日も4連敗で、9月は1勝もできず。シーズンの勝負どころで、波に乗れない。

ZOZOマリンでまたも負け越して、今季3勝5敗1分け。昨年2勝10敗の「鬼門」をなかなか克服できず、またもゲーム差を1とされた。「しっかりとこの借りは返さないといけない」(工藤監督)。この日は王球団会長も球場に足を運んだが、今季初の3カード連続の負け越し。「打線は粘り強さが見えた。反省はするが、次への準備の方が大事」と、気持ちの切り替えを強調した工藤監督。傷を癒やすには、勝利しかない。【浦田由紀夫】