オリックス中嶋聡監督代行の“札幌凱旋(がいせん)試合”を、ナインが投打で飾った。15年10月1日ロッテ戦の日本ハム選手兼任コーチとしての現役最後の試合から同チームの指導者を経て、オリックス監督代行として札幌ドームに戻った初戦。田嶋が5回2死まで完全投球を見せ、ジョーンズが出場6試合ぶりに先制となる打点を挙げ、ラオウ杉本が自身同球場1号の1発で加点。最後はT-岡田が13号でダメを押した。

「何とかいいところで打ちたい。チームが乗っていけるようなところで打ちたいと思っていた。今日は結果的に勝てて、いいホームランになってよかったです」。満塁弾を打っても勝てないなど、空砲の多かったT-岡田は、感無量だった。

凱旋(がいせん)試合に勝った中嶋監督代行は「いや、ぼくは代行なんで」と照れ笑いを浮かべた。15年の現役最終戦も、本人はクライマックスシリーズを控えたチーム状況を考え、派手な舞台を拒んだ。だが、栗山監督ら首脳陣がそれを許さなかった。「最後の阪急戦士」の最後の舞台をサプライズの演出で盛り上げ、引退セレモニーで送り出した。

それから5年。オリックスを率いて、中嶋監督代行は札幌に戻ってきた。勝利にも「今日は勝ちましたけど、最後の締めとしてはよろしくない感じです」と、2失点ともたついた9回に追い上げられたことに厳しい表情も見せた。ただ“札幌1勝”で、代行着任後の勝利数を20に乗せ、20勝20敗2分の5分に戻した。