慶大が、都市対抗出場を決めているENEOSとのオープン戦を制し、現在開催中の東京6大学野球秋季リーグ戦に弾みをつけた。

プロ志望届を提出している瀬戸西純内野手(4年=慶応)は、3回表2死二塁から右前適時打を放ち勝利に貢献。その後の打席は3三振も「打席の球の見え方も良くなっている。今はドラフトよりも、チームが優勝するには何をすればいいかを考えたい」と前を向いた。

堀井哲也監督(58)は「空き週で社会人の胸を借りて、リーグ戦の次戦へ向け、いい材料ができた。中でも打線は集中打で得点できたのが大きい」と評価。中でも、アピールしたのは植田響介捕手(4年=高松商)だ。

1本塁打を含む4安打と活躍した。投手のリリースの瞬間をしっかりと見て目を離さないこと、体重が後ろに残さないよう、ボールにぶつかっていく感覚で体重移動をすることを意識。広角に打ち分け「最近、堀井監督から指導してもらった理論を実戦できている。自分でもビックリです。対応力がついてきました」と手応えをつかんだ。

高松商では、弟・理久都(3年=明大)とともに、16年春のセンバツに出場。史上初となる同一大会での兄弟アベック弾を放つなど躍動し、準優勝を果たした。「弟は今、試合に出ていて頑張っている。負けたくない。自分はベンチ入りはしても、秋はまだ1試合も出場していない。チャンスがあれば、負けないプレーをしたい」と強い気持ちを口にした。

ENEOSの大久保秀昭監督(51)は、昨年まで指導した慶大の選手たちとの対戦に「これくらい打って当然とは思うけど、打者のレベルは上がっている。リーグ戦の上位にいるチームだね」と温かいまなざしを向けた。チーム内での競争で、選手層を厚くする慶大。早大・早川投手攻略へ着実に力を増している。