元阪神のヤクルト歳内宏明投手(27)が、1633日ぶりに甲子園に帰ってきた。16年4月27日巨人戦以来。1回裏に入る直前、「ピッチャー歳内」の場内アナウンスに、ヤクルトファンだけでなく、阪神ファンからも贈られた温かな拍手に押されるように、ゆっくりマウンドへ上がった。

楽しみにしていた古巣との対戦。立ち上がりは、どうしても力が入った。先頭の近本には全5球すべて直球で二ゴロ。糸原からは、カウント1-2から武器のフォークで空振り三振を奪った。糸井には粘られたが、フルカウントからの9球目にフォークで空振り三振。20球で初回を無失点に抑えた。

2回は連打で無死一、二塁のピンチをつくるも、ボーアをフォークで左飛、梅野を直球で右飛、小幡を空振り三振に仕留めた。バッテリーを組む西田と目線を合わせると、静かにうなずきながらベンチへ帰った。

しかし4回1死一、三塁、梅野に先制の適時二塁打を許すと、悔しそうに天を仰いだ。4回1/3を2失点、90球で降板。交代が告げられると、再び球場全体からの拍手に包まれた。ベンチではしばらくタオルで顔を覆い、感情を整理している様子だった。「古巣相手ということで気合が入りましたが、初回から少し力んでしまいました。徐々にリズム良く投げられてきましたが、4回5回とピンチの場面で粘れず、失点を許してしまいとても悔しいです。もう少し長いイニングを投げたかったです」とコメントした。