ソフトバンクが、15年ぶりの快挙を飾った。先発マット・ムーア投手(31)が7回2安打10奪三振の快投。ソフトバンク球団元年の05年にマークした15連勝以来となる11連勝となった。チーム防御率は11連勝中は1・18。10月に入っても1・91と、強力投手陣がけん引しての大型連勝でマジックを6とした。23日から地元・福岡に戻って西武3連戦。最短25日のリーグVも、夢ではなくなってきた。

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メジャー54勝左腕ムーアが、札幌のマウンドで躍動した。中5日の先発で、日本ハム相手に7回を2安打無失点と好投。6勝目をマークした。奪った三振は10。来日して2度目の2ケタ奪三振だが、前回6月30日日本ハム戦も札幌ドームだった。6回まで毎回奪三振と、気持ちよく三振の山を築いた。

ムーア 直球もカーブ、チェンジアップも、すべての球種が良かったのはなかなかない。

高くて堅いといわれる札幌ドームのマウンド。「回を追うごとに穴が出来ていくが、ここ札幌ドームはできない。好きなマウンドの1つだね」。登板2戦で13イニング5安打1失点、20奪三振と得意にしている。「先発みんながいい投球をしているので、自分も自信を持っていけるし、刺激し合って全体としてもいい調子だ」と先発陣の好調を代弁した。

11連勝中、無失点試合が3試合連続を含めて4度で、投手陣の防御率は1・18。工藤監督が「勝負」と気合を入れた10月に入ってからも1・91と、1点台をキープする。7戦連続で先発投手に白星がつくなど、序盤から試合の主導権を相手に握らせない。

工藤監督 ここにきて大型連勝ができるのも、選手個々が、ここからだ、と思って、しっかりつないでいるからだと思う。

最短での25日Vも夢ではなくなってきた。10月は15勝5敗1分け。驚異的な勝率のまま、ゴールテープを切る。【浦田由紀夫】