思い出の練習を少しだけ体験してみました。

巨人ドラフト1位の亜大・平内龍太投手(22)が12日、母校の神戸国際大付を訪問。

同校での思い出に「山ラン」を挙げた。整備されていないアップダウンの激しい山道を1周3分以内で1日に10周。「根性 根性 700本」をテーマに一冬で700周走ったと言う冬場のトレーニング。どんなコースか気になっていると、平内自ら報道陣を引き連れて案内してくれた。

練習中のグラウンド脇を抜け、左翼後方にある学が丘北公園に向かった。地面には大きな石が転がっている部分もある。想像していたより山だ。急な坂道部分は木で段差が作られ、2人が並んで歩ける程度の階段になっていた。平内が「速いやつがくると負けられないなと思って。競争です」と言っていたように、階段の横の道なき道にも前の走者を抜いたであろう足跡があった。

時折「懐かしいなあ」と口にしていた平内の一番の「山ラン」の思い出は「野犬に追いかけられたこと」。故障の影響で目標の700周に達せず、1人で走っていると最後の上り坂の下で待ち構えていたと言う。「逃げて隠れました。人生最速で逃げました」と当時を思い出し、笑っていた。

アップダウンがあり過ぎて、距離はどのくらいか分からなかったが、15分ほどかけて1周したときには、汗だくで息が切れていた。これを毎年700周もすれば、確かに記憶に残るなと思った。平内は「苦しいことは苦しいですけど、やりがいとかは感じるし、やりきった感というのはあります」と笑顔。在校生たちにも「走る系はしんどいけど、速く走れたらすごくいい気持ちになれるので、人より前に出るという気持ちを持って」とエールを送った。大学球界屈指のきつい練習とも言われる亜大の練習を乗り切ったルーツは「山ラン」にあるのかもしれない。【久永壮真】