ロッテは14日からソフトバンクとのCSを迎える。井口資仁監督(45)は、ソフトバンク優勝直後に「選手層は厚いですし、そういう中でも最後に連勝したりしているところは、経験値も含めて我々よりはるかに上だなというところ」と捉えていた。いかに日本シリーズへの道を開くか。攻守両面で勝機を探る。【金子真仁】

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一時は肉薄したソフトバンクに、最後は14ゲーム差をつけられた。直接対決は12勝11敗1分け。うち7敗は、コロナ禍で10人以上の選手が離脱して以降のもの。特に打線は特定の選手に負荷がかかり、深刻な状態に陥っていた。井口監督は「一時期の、皆が調子悪い状態からはだいぶ上がっている」と感じている。

積極的に振った上で「四球=安打」とポジティブに捉え、戦ってきた。24試合を振り返ると、四球と安打の合計数が「12」を超えた試合は、12勝1敗1分け。対して「10」以下では0勝9敗。いかに1つのイニングで複数の走者を出して、かえせるか。井口監督は「積極的にいきながら、1点を先に先に取って行けたらなと。とにかく全員でやるしかない」と見据える。

対戦成績の良さは、選手の成績にも表れる。セイバーメトリクスの指標で「出塁率+長打率」で算出される「OPS」をみると荻野、清田、中村奨の3人がソフトバンク戦で数値を0・1以上上げている。シーズン打率が2割4分9厘の中村奨は、ソフトバンク戦に限れば3割3分8厘。この3人が上位から中軸にかけての得点源になる。

一方で田村、角中、安田の3人は、いずれも普段はファウルで粘れる打者ながら、ソフトバンク戦での打率やOPS数値が低い。田村、安田は8、9番を任される可能性が高い。

彼らが送りやつなぎに専念できるよう、6、7番起用が予想される井上、藤岡の出塁は大事だ。特に井上は福岡入り後の練習でも快音が多く、期待がかかる。初回に先制後、中盤まで沈黙しがちなのが今季のロッテの傾向でもある。下位打線でチャンスを作っての1点で、勝利を近づけたい。