阪神の2軍投手コーチに就任する久保田智之プロスカウト(39)と、同内野守備走塁コーチに就任する田中秀太アマスカウト(43)が13日、兵庫・西宮市内の球団事務所で会見を行った。久保田氏は自身の経験も踏まえ、伝説の最強リリーフ陣「JFK」の後継者育成を誓った。

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久保田氏は自身の後継者となる、未来の「JFK」育成に意欲を燃やした。「能力的には十分な選手がたくさんいる。それをしっかり出してもらえれば、そういう選手が出てくると思うので期待しています」。盟友藤川球児氏が引退を決めた年のコーチ就任も、何かに導かれているようだ。

鉄壁の「JFK」は虎の歴史に残る伝説のリリーフ陣。ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田…。05年のリーグ優勝に大きく貢献し、久保田氏は胴上げ投手となった。「抑えなければいけないのは当たり前ですけど、中継ぎだったら、短いイニングを全力でいって、それで打たれたのであれば仕方がないぐらいの気持ちでいきました」。

同年は68試合に登板し27セーブを記録。プレッシャーの中で実力を出すために大事なものは「メンタル」だった。「僕自身思ったのは、気持ちが大事。技術に関しては練習あるのみだと思いますが、気持ちを強く持たないとパフォーマンスは出せないので、そういうことを伝えたいです」。何度も修羅場をくぐり抜けた経験を惜しみなく伝える。

引退後は15年から2年間2軍打撃投手を務め、17年からは他球団のトレード候補を調査するプロスカウトとして、多くの経験を積んできた。谷本副社長は「現役時代は2005年の優勝マウンドを守った。その一方で多くの故障も経験して、栄光と挫折の両方を経験した貴重な人材」と苦楽を知る鉄腕に、大きな期待を寄せた。ファームには期待の若手投手が多くいる。熱血久保田塾で才能を開花させる。【磯綾乃】