直伝トルネードで、支配下にはい上がる! 阪神育成ドラフト1位の九産大・岩田将貴投手(22)が17日、福岡市内のホテルで入団交渉に臨み、支度金200万円、年俸300万円で仮契約を交わした。打者に背中を向けるほどひねる変則フォームは野茂英雄氏との出会いから生まれた。レジェンドの教えを胸に、左キラーで1軍マウンドを目指す。(金額は推定)

   ◇   ◇   ◇

レジェンドとの出会いから生まれた変則フォームで、岩田将がはい上がる。打者に背中を向けるほどひねり、インステップで左サイドから投げる投法。左打者泣かせの球筋が武器だ。「左バッターは絶対に抑えるところが自分の長所であり、アピールポイント。そこをまずは全力でアピールして、プロ野球のレベルに近づいていければ」と力強く語った。

福岡ボーイズに所属していた中学3年夏に日本選抜に選ばれ、米ロサンゼルスに遠征。チームの代表を務めていた野茂英雄氏から「何か1つでも突出したものがあった方がいい」とアドバイスを受けた。トルネードでメジャーを席巻した右腕のキャッチボール姿を、目に焼き付けた。「当時はそんなに変則的なフォームではなかったし、普通のサイドスローなだけだった。野茂さんがキャッチボールをしていたので、最初は憧れとして体をひねることを始めた。それが今となっては武器になっている。ありがたいなと思います」と岩田将は振り返る。

7年前の出会いが原点となり、プロの世界に進む。将来は7、8回の勝ちパターンを狙う。同じ育成選手から球界を代表するセットアッパーになった元巨人の山口鉄也氏が目標だ。「毎年絶対に出てこられていた選手。体が強い。すごく目標になります。自分自身も負けないくらいの活躍をしたい」。まずは左封じで支配下登録をアピールする。

今秋ドラフトではチーム唯一の育成指名。「これ以上、下がることはない。上だけを見て頑張りたいと思います」。地元福岡で22年間を過ごしてきた生粋の博多っ子は「阪神タイガースで有名になることが、まずは目標です」と心に誓った。野茂直伝の変則左腕が、反骨精神で成り上がる。【只松憲】

○…岩田将が今季限りで現役引退した元阪神の藤川球児氏との「対話」を熱望した。昨夏に左内側側副靱帯(じんたい)の再建手術(トミー・ジョン手術)を経験。藤川氏も大リーグ時代の13年に同手術を受けたが、リハビリを重ねて復活を遂げた。「リハビリやトレーニングのこととかを聞ける時間があれば、いろいろお話を聞かせて頂ければなと思います」と目を輝かせていた。

<岩田将貴(いわた・まさき)>

◆生まれ 1998年(平10)6月16日、福岡市出身。

◆球歴 吉塚小1年の時に吉塚クリッパーズでソフトボールを始める。吉塚中では福岡ボーイズに所属。3年夏には野茂英雄氏率いる日本選抜に選ばれた。九産大九州ではエースとして2年春にセンバツに出場。九産大では3年夏に左肘のトミー・ジョン手術。4年秋の九州大学野球選手権で復帰し、同大会の優勝に貢献した。

◆趣味 YouTube鑑賞。特に好きなのはYouTuberが行う、1万円であらゆる物事の限界にチャレンジする「1万円企画」。

◆好きな歌手 乃木坂46。推しメンは18年末でグループを卒業し、現在は女優の西野七瀬だった。

◆サイズ 178センチ、83キロ。左投げ左打ち。