一族3世代の思いが詰まった練習場の特訓の成果だ。巨人にドラフト3位で指名された中京大中京・中山礼都(らいと)内野手(18)が17日、名古屋市内のホテルで仮契約を結び、リモート会見に出席した。契約金5000万円、年俸600万円(金額は推定)。

祖父も父も同校野球部OBだ。自宅の庭には、祖父義治さんが、父慎也さん(45)が中学生の頃に作った3メートル四方の練習場がある。中山はその約30年の歴史ある練習場で、雨が降らない限り毎日のように父と約30分、打ち込んだ。

「小さい頃から練習場でティーバッティングをやってきました。父が投げてくれて。ミート率もその練習で良くなりました。ずっと意識してきた部分なので、そこもアピールしていけたら」とプロへの武器にする。

息子を支えた父慎也さんもリモート会見に登場。「ティーバッティングの種類は4種類くらい。YouTubeで見たプロの選手のまねとかをして」と高橋由伸氏や阿部慎之助2軍監督を参考にした「秘密の特訓」を説明した。

中京大中京のチームメートで中日ドラフト1位高橋宏斗投手(18)は、16日に新人の球団史上最高額の年俸1600万円で仮契約を結んだ。同じセ・リーグのライバルとして将来的には対戦が期待されるが「対戦してみたいというのはあるが、まずは自分がレベルアップしていきたい」と、足元を見つめた。

祖父と父の思いが詰まった練習場で培ったミート力。プロの舞台でスポットライトを浴びる日は、そう遠くはないかもしれない。【小早川宗一郎】