創部2年目のハナマウイは1点が遠く、1回戦で姿を消した。ナインは大舞台の野球を楽しんだ。

7回2死二塁、7番大友潤外野手(24)が逆方向への痛烈な左前打。二塁走者が本塁突入もアウト。9回にも1死一、二塁のチャンスもあと1本が出ず、5安打完封負けを喫した。

現役時代、オリックスなどでプレーし、ロッテ、楽天などでコーチを歴任した本西厚博監督(58)は「硬くならないことの方がおかしい。これだけの観客が入ったところで試合したことない選手ばかりですから。来シーズン以降にプラスになれば。そういう大会にしようと思っていたので今日については選手がよくやったと思います」と敗戦にも前を向いた。

予選初出場で本選出場の快挙を成し遂げたハナマウイの本業は、デイサービス。野球部員は、都内の施設で週4、5日、勤務する。加藤頼主将(25)は利用者のおじいちゃん、おばあちゃんたちへ向け「シンプルに、負けちゃったというのは言います。その中で、応援していただいてありがとうという言葉は伝えたい」と感謝した。

一方で、最年長として日本製鉄かずさマジックから補強選手として加入している田中健内野手(31)は別の角度から課題を指摘する。「練習のときから雰囲気も明るい。若い選手がどんどん出ている。でも、東京ドームは命がけ。そのためにやっている。明るいだけじゃ、結果が出ない。そこをハナマウイは感じられたのではないかと思う」。

9年連続東京ドームの大舞台に立つ他チームのベテランからの金言を胸に、来年は都市対抗初勝利を目指し、着実に前進し続ける。