別れがあれば、出会いもある。5日、楽天生命パークでの楽天ファン感謝祭で、ベテラン右腕2人の引退セレモニーと新入団選手発表が行われた。 楽天一筋15年の青山浩二投手(37)と3球団で18年間プレーした久保裕也投手(40)はともに涙ながらにファンへ現役最後のあいさつ。ドラフト1位の早大・早川隆久投手(22)は岩隈久志氏が背負った背番号21をお披露目し、イーグルスの選手として初めて本拠地に足を踏み入れた。

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スピーチを追うごとに、こみ上げた。青山がプロ野球人生をささげた杜(もり)の都のファンへ感謝の思いを述べた。「15年間たくさん投げました。たくさん打たれました。たくさん打たれても、ファンの方々から大きな声援をいただきました。僕はこの景色が大好きです」。

球団創設2年目の06年、プロ1年目から活躍。15年間1度も欠かさず、1軍のマウンドに立ち続け、通算625試合登板を記録した。「強い人間ではありません。人に支えてもらわなければ、ここまでできませんでした。僕はピッチャーとして投げるのが仕事。どこでも投げるのが当たり前だと思って、ずっとやってきました。弱いところも、見せたくなかったです」。

13年には球団初のリーグ優勝、日本一に大きく貢献した。「震災が起き、復興を目指して、チームが1つの方向を向いて優勝できました。日本一にもなれました。本当に幸せです」。昨季は自己最多の62試合に登板。だが今季は11試合登板にとどまり、決断を迫られた。「小さい頃から夢だったこの世界は、本当に夢のような幸せな毎日でした。できれば、まだまだ投げたかったのですが、またこれからはチームのみんなにその場を託して、日本一のこのチームに頑張ってほしいと思います」。

来季からはアカデミーコーチに就く。「夢を持った子どもたちのために精いっぱい、全力で挑みたいと思います」。スピーチの最後は心から叫んだ。「最後にひと言言いたいと思います。野球選手、めちゃくちゃ楽しかった~!」。【佐藤究】