日本ハムからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた有原航平投手(28)が25日(日本時間26日)、レンジャーズと契約合意したと、米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者がつぶやいた。2年600万~700万ドル(6億3000万円~7億3500万円)の契約。

有原のポスティング申請は日本シリーズ終了の翌日となる11月26日に、日本ハムが申請手続きを終えたことを発表。12月27日午前7時(米東部時間26日午後5時)が交渉期限だった。

昨オフから公言してきた夢を実現させた。有原は19年12月4日の契約更改の席で球団に、20年オフにもメジャー移籍したい思いを伝え、今季終了後も「僕自身は、そういう気持ちでやってきたので変わらないですね」とまっすぐな思いを吐露。その後、球団から正式にポスティングシステムを利用したメジャー移籍を容認されていた。

代理人はカブス・ダルビッシュやツインズ前田らを担当する米大手エージェント会社「ワッサーマン・メディア・グループ」に属するジョエル・ウルフ氏と契約。自主練習ではメジャー球でキャッチボールを行うなど、できる限りの準備も進めてきた。

6日に札幌ドームで行われたファンフェスティバルに参加した際は「信じて待つだけなので。まだ動きとかはないので、とにかく信じて待ちたいなと思います」と心境を明かし、日本ハムからは「やるからには、絶対頑張ってこい」と背中を押されたことも告白。「そういう気持ちでやりたい」と不退転の覚悟を示していた。

交渉期限の1週間前となる20日には渡米し、移籍先決定に備え、その日がやってきた。ついに、広陵(広島)時代から一途に目指してきたメジャーの舞台に立つことになる。

◆有原航平(ありはら・こうへい)1992年(平4)8月11日、広島県生まれ。広陵では2年春からベンチ入り。3年時に甲子園春夏連続出場。早大ではリーグ戦通算62試合に登板し、19勝12敗、防御率2・72。14年ドラフト1位で日本ハム入団。15年5月15日オリックス戦でプロ初登板初勝利。同年は8勝を挙げ新人王。16年は11勝でリーグVと日本一に貢献。19年は15勝で最多勝を獲得。通算129試合で60勝50敗、防御率3。74。189センチ、95キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億4500万円。

 

◆ポスティングシステム 海外FA権取得前に米球界に移籍できる制度。以前は最高入札額を提示した球団が独占交渉権を得たが、現在は譲渡金支払い意思のある全球団と交渉できる。日本球団への譲渡金は、選手が契約で保証される額により変動する。メジャー契約の場合、保証額のうち2500万ドル(約26億円)までの部分の20%、2500万ドルを超えて5000万ドル(約52億円)までの部分の17・5%、5000万ドルを超えた額の15%の合計となる。契約期間内に獲得した出来高払いの額からは15%が追加で支払われる。