鷹の年男たちが飛躍の年を迎える。21年は丑(うし)年。杉山一樹投手、高橋純平投手、笠谷俊介投手、泉圭輔投手、谷川原健太捕手、海野隆司捕手、川瀬晃内野手、柳町達外野手が24歳になる。ちなみに、36歳になるジュリスベル・グラシアル内野手も年男だ。昨季最速157キロをマークし頭角を現した杉山は今オフ、並外れた身体能力に加えて技術面を磨くつもり。160キロ超えも視野に、中継ぎとして勝ちパターンに割り込んでいく。

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杉山は昨季、自己最多の11試合に登板。巨人との日本シリーズでもマウンドに上がり、存在感を示した1年になった。なんといっても武器は最速157キロの直球。エース千賀にも「自分を超えた」と言わしめるほどの逸材は、24歳シーズンにさらなる飛躍を目指す。

杉山は言う。「150中盤、後半の真っすぐを投げても普通に打たれることがある。モイネロとかを見ていると、150ちょっとの真っすぐでも抑えている」。どれだけ速い球を投げても、打たれては意味がない。直球の質を向上させる「21年版杉山」のイメージはすでに出来上がっている。

直球について、自身では「今までは技術がない中で、体でボールを投げていた」と伸びしろを感じている。このオフは「とことん自分と向き合いたい」と千賀らの自主トレを離れ、個人トレーナーと契約した。動作解析などを用いて、投球フォーム固めに取り組む。未完の大器が技を身に付ければ、160キロ超えも夢ではなさそうだ。

今季目標は中継ぎで50試合登板。将来的には先発挑戦の思いもある。丑(うし)年に「勝ちパターン」の座をつかみ取り、大きく羽ばたく。