近大は新型コロナウイルスの感染予防に細心の注意を払いながら、奈良県生駒市内の同大学グラウンドで日本一に向けて動きだしている。15日は緊急事態宣言対象外の同市の寮で生活する選手が密を避けて2班で分離練習。約2時間ずつ、キャッチボールやロングティー打撃のほか、ゴロ捕球などで汗を流した。

12日に始動したが、大阪府が緊急事態宣言の対象に入っており、奈良県外からの通学生は越境禁止。チーム本体に合流させず、自主トレとする徹底ぶりだ。入寮生も2人部屋から個室へ変更。食堂や風呂も過密を避け、念には念を入れる。田中秀昌監督(63)は「何としても、コロナ感染しないように。全員、集まれていない状況です」と話した。例年2月に約2週間行う和歌山・田辺でのキャンプも中止が決まり、チームの強化プランに狂いが生じている。

関西大学球界の雄で、昨秋は関西学生リーグを制した。田中監督は「春リーグで連覇して、近大は常勝でいなければいけない。日本一を奪回しないといけない」と語気を強める。「秋のリーグ戦で放った投手、2年生の精度を上げる。捕手をどうするか。空いたポジションのコンバートも考えています」。コロナ禍の推移を見極めつつ、4月3日に予定する春季リーグ戦開幕へと向かう。【酒井俊作】