ロッテの育成ドラフト2位・小沼健太投手(22=BC・茨城)は、ルーキーながら3年連続3度目となるNPBキャンプに向け、新人合同自主トレに励む。

19、20年と沖縄・宜野座村で球春を迎えた。茨城アストロプラネッツの3月のキャンプインを前に、阪神の春季キャンプでアルバイト。打撃投手にティー打撃補助、球拾いと裏方の仕事に励んだ。仕事の合間に自身の練習を行った。

打撃投手とはいえ重圧があった。大観衆に大勢のマスコミ。「たくさんのファンの方の前で、打撃投手ですけど、プレーをするのは初めてで、すごい緊張してて、当てたらどうしようとか思って」。緊張を見かねた練習補助の先輩から助言された。「お前のこと、1年後に覚えている人、いないから」。吹っ切れて、若虎たちの懐を攻めて経験を積んだ。

猛虎のオーラにただただ圧倒された。外国人選手にティー打撃のトスを上げた。萎縮してトスが乱れた。「ティー上げイップスになってしまいました」と苦笑しながら振り返る。少し慣れてきた昨春は、福留(現中日)の専属ティー上げ担当に。見て聞いて、いろいろなものを吸収した。

夢だったNPBの選手として、初めてのキャンプはもうすぐだ。何となくイメージはある。「練習が多く、きついイメージ。自主トレ中に体を仕上げていかないと。あと、思ったよりキャンプの期間が短く感じたので、入ってすぐにアピールしていかないといけないなと思っています」。緊張しながら得た“バイト代”を、無駄にはできない。【金子真仁】