中日与田剛監督(55)が1月31日、根尾昂内野手(20)に遊撃奪取を指令した。キャンプイン前日、沖縄・北谷での合同自主トレ終了後に同町の1軍宿舎で全体ミーティングを開催。根尾自身が目指すと公言している「遊撃取り」に指揮官自らハッパをかけた。

「(根尾には)2年間ファームで準備をさせた。出てきてもらわないと困る」

根尾は18年ドラフトで4球団競合の末、就任直後の与田監督がクジを引き当てたスター候補。1年目は故障で出遅れたが、2年目は外野も経験させるなど、“温かい目”で出場機会を提供した。だが、2年間の1軍成績は11試合でわずか2安打、打率8分。3年目の今季こそ、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすように台頭してほしい強い願いがある。

「いろんな準備が、勝負する上で生かされればいい。基本はショートで使って、自他共にどういう評価をするか。(京田と)競争できるレベルに近づいて欲しい」。キャンプ中の実戦では根尾を積極的に遊撃で起用する方針も明言。さらに「レギュラーを脅かす選手に出てきて欲しい。根尾を筆頭に」と、10年ぶりV奪回の起爆剤にも指名した。

根尾も気合十分だ。合同自主トレ最終日を居残り特守で終え、表情を引き締めた。「(京田さんは)球界で一番うまい。超えていけるように練習して、自分も負けないようにやりたい」。この日も同じ遊撃で間近に京田の守備を観察し、極意吸収に努めた。指揮官の期待に応え、3年目のブレークを期す。【伊東大介】

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